【授業紹介】中1理科・山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館 連携授業『鳥取の大地を観察しよう』

10月1日(水)、中学校1年生の理科の授業にて、山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館で専門員を務めておられる安藤和也さんをお招きし、鳥取県各所の地形や地層をめぐるバスツアー形式のフィールドワークを実施しました。これまで理科の授業で学習してきた地学分野の知識を活かし、実際の自然環境に触れながら学びを深めることが目的です。

最初に訪れたのは、鳥取市青谷にある夏泊海岸です。ここでは、約160万年前の火山活動によって流れ出た溶岩によって形成された「長尾鼻」の地形を観察しました。
生徒たちは授業で学んだ「安山岩は粘性の高いマグマからできる」という知識を思い出し、実際に安山岩質の大地が広く広がっている様子に驚いていました。地表を覆う粘り気の強い溶岩のスケール感から、当時の火山噴火の規模の大きさを肌で感じ取っている様子が印象的でした。また、横方向に節理の入った「鉢状山板状安山岩」も観察することができました。

次に向かったのは、鳥取市白兎にある気多岬です。東屋からは、日本海に浮かぶ淤岐之島を眺めることができ、そこでは火砕流により形成された火砕岩層や礫岩層、さらには地殻変動による断層が見られます。
生徒たちは安藤さんの解説を聞きながら熱心にメモを取り、地層の構造や地形の成り立ちについて学んでいました。
近くの露頭では、実際の礫岩を間近で観察し、「れき岩は堆積岩の中でも粒子が大きい」という既習内容を自分の目で確認することができました。

最後に訪れたのは、鳥取市福部にある岩戸海岸です。ここの駟馳山では、露出した凝灰岩と火山角礫岩の交互層を観察しました。
教科書の図だけで見ていた層状の地層が目の前に広がっている光景に、生徒たちは感嘆の声を上げていました。
高台からは、波の浸食によってできた波食棚や、塩分を含む水分によって岩石が風化したことでできたタフォニ、水冷自破砕溶岩など、長い時を経てできた地形の変化を実際に目で見て学ぶことができました。
安藤さんの分かりやすい解説により、それぞれの地形がどのような自然現象によって形成されたのかを理解することができました。

フィールドワークの締めくくりには、安藤さんより「教科書で学んだ知識を、身近な自然と結び付けて観察してほしい」とのメッセージをいただきました。
地学分野を一通り学んだ後に実施された今回のフィールドワークは、学習内容の定着だけでなく、自然への興味関心をさらに高める貴重な機会となりました。生徒たちからは「実際に見て学べたことでよく理解できた」「行ったことがない場所で、新しい発見があった」「地層や地形のことに、さらに興味をもつことができた」などの声が聞かれました。

このたびご協力いただいた山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館の安藤和也さんに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
(担当:兼重<理科>)