【進路支援】「自己調整学習」の支援【前編】〜主体的・対話的で深い学び、個別最適な学びの実現をめざして〜
本校の進路支援部では自己調整学習ツールを使い、生徒の自主的な学習をサポートしています。今回はその取り組みの一部を紹介したいと思います。(前編)
自己調整学習(Self-Regulated Learning)とは、学習者(生徒)が自分自身で目標を設定し、その実現のために計画・実行・振り返りのサイクルを繰り返し、学びを成長させて行くための学習方法です。教員や周囲の助けを借りながら、あくまでも学習者本人が学びを調整していくことで、主体性や責任感を育みます。本校では生徒全員が自己調整学習を行いながら、勉強を進めていけるように日々サポートしています。
青翔開智では自己調整型学習者を目指す初めの一歩として、英語検定や数学検定への挑戦を勧めています。進路支援部では、生徒が自ら立てた目標級への到達を目指して自己調整学習を進められるように、サポートツールを開発してきました。
サポートツールの中には「計画をたてるページ」「勉強法についてのページ」「振り返りを行うページ」があり、自己調整学習の初心者はそれに沿って自分をモニタリングしながら学習を進めることができます。
「計画をたてるページ」では初歩の自己調整者と上達した自己調整者を比較した表があり、上達した自己調整者を目指して具体的な計画を立てていきます。また、放課後の予定表を書くことで、時間の使い方を自分で調整しながら勉強の計画を立てることができるようになっています。
勉強計画を立てたり、実行するために役立つものが「勉強法についてのページ」です。例えば英検のツールには、「1単語5秒法」や「1長文1日法」といった勉強法が具体的な手順とともに明記されています。これらの勉強法を参考にして、検定までの計画をたてて、実行していきます。これを繰り返すうちに、自分オリジナルの勉強法を開発することができるようになるとともに、自らの学び方に責任感を持つようになります。
検定試験が終わると、「振り返りを行うページ」を活用して、自分の足りなかったところや成長したところなどを振り返り、次の目標に向けて動き出します。
「振り返り(自己省察,リフレクション)」は自己調整学習を行う上でも重要な要素のひとつで、生徒の振り返りをどのように教員がサポートし次の学習に役立ててもらうか、教員も実践と研究を重ねています。
本校では数年前から各種検定を受ける生徒に対してこのような支援ツールを提示しており、自分自身で勉強法を考案し、目標に向けて自走できるような生徒を育てています。
次の投稿では、今年度中学校1年生・2年生に実施した自己調整学習の取り組みについて紹介していきたいと思います。