【高2宿泊研修 アート思考研修】

3/11、3/12に高校2年生のアート思考研修を行いました。高校1年生の3月に予定していたブリスベンでの研修が新型コロナウイルス感染症の影響で渡航中止に。様々な制限の中、鳥取県が独自に指定する感染警戒地域の動向をみながら国内1泊2日に縮小する形で1年越しに研修を行うことができました。

1日目は明石海峡大橋を渡り、鳴門海峡・渦の道へ。今年度初の学年での旅行とあって、ひとつひとつの訪問先で生徒たちは明るい笑顔を見せてくれます。気持ちの良い気候で、うず潮の見頃の時間帯にもあたり、歓声があがりました。昼食後は1日目メインの目的地である大塚国際美術館を訪問。世界各地の名画が原寸大で陶板に複製されたものが展示されており、大きさは青翔開智の校舎本館の約12倍、鑑賞ルートは約4kmという広大な美術館です。美術館を入ってすぐのシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロの『最後の審判』に圧倒される生徒たち。各々が約3時間半、展示品と向き合いました。高校1年時の英語の授業では名画や現代アートに触れて対話型鑑賞やプレゼンテーションに取り組み、高校2年生でも世界史の授業でルネサンス美術の鑑賞を行うなど、これまでさまざまな方法でアートと出会ってきたこの学年。生徒たちには「私のお気に入り」を1点選んでもらい、感想をGoogleハングアウトに投稿してもらいました。素晴らしいリフレクションの数々を得られ、全てを公開したいですが、抜粋して最後に載せていますのでご覧ください。

2日目は香川県のゆるキャラたちに見送られ出発。文化財庭園としては日本最大の広さを誇る栗林公園を訪れた後、岡山のジーンズストリートを経由して倉敷美観地区を訪問。歴史ある街並みを散策してそれぞれが気になっていたスポットや食事を楽しみ、最後は大原美術館を訪問。1日目の複製陶板画と、本物の絵画を見比べることができたのは生徒たちにとって良い刺激になったのではと思います。

コロナ禍におけるさまざまな制約の中でも、個人探究を始めたくさんの活動に意欲的に取り組んできた高校2年生。今回の研修がかけがえのない思い出となり、それぞれの進路実現に向かう際の助けになってくれれば嬉しいです。

宿泊研修実施にあたり多大なるご理解・ご協力をいただき、生徒たちをこころよく送り出してくださった保護者のみなさま、ありがとうございました。

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※以下、1日目の大塚国際美術館の後で得られたリフレクションの抜粋です。

・1時間も見入ってしまうほど好きな作品に出会えて嬉しかった
・時代によっていろんな作品の違いをしっかり見ることができた
・世界史の授業で得た知識のお陰で当時の時代背景とかを踏まえて鑑賞できたので美術館の楽しさが5倍くらいにはなった気がした
・選んだ1枚は高1の時に英語の時間にスピーチした絵です。懐かしいです。素敵でした
・世界史で自分が調べたブリューゲルの「ネーデルラントの諺」を見ることができて嬉しかった
・テーマが宗教でキリスト等を描いたものが多かったが、釈迦と組み合わせている絵がとても印象的だった
・気が遠くなるほどの細かい質感表現に感動した。現代アートもよくわからないけど分かりそう、な感覚を楽しめた
・世界史を勉強してよかった〜って思う瞬間がたくさんあって思ったより楽しめた。次の大原美術館は自分が一番好きなエル・グレコの受胎告知があるのでめっちゃ楽しみ。聖マルタン聖堂にて今まで勉強を怠ったことを懺悔している写真を撮ってもらった
・雪が積もっているのに晴れている、僕の1番好きな天気で、この絵の世界に行ってみたいと思った
・アートって絵画のことだと思ってたけどそうじゃなさそうだなーと思った。アートとか芸術とかは無理だーと思ってたけど絵画が自分に合ってなかっただけでもっとほかにもあるんだって気づいた
・ゴッホの7つのヒマワリが最初同じように見えたけど、解説動画を見た後に見ると全部違って見えた
・自分の置かれてる環境などによって、惹かれる絵って変わるんだろうと感じた
・油絵の絵の具を重ねて厚みが出ているところまで再現されていて、インターネットで見るのとは違う楽しみ方ができた
・どの絵画にも一つ一つ作者の意図が込められてるんだなと考えて見ると、どれも興味を引かれた
・多くの受胎告知の絵では聖母が告知について嬉しそうな表情をしているものが見当たらなかった中、この作品だけは違っていた。それまでの受胎告知の様子を変えたところがルネサンスらしい作品だと思った
・団扇を手にしている少女の涼しげな表情と背景の淡く穏やかな色調に心を掴まれた。絵画中に流れている清らかな風を感じられるような1枚