【高1・英語でアート作品の対話型鑑賞】

高校1年生のコミュニケーション英語の授業では、Google Art&CultureというiPadアプリケーションを使って芸術作品を鑑賞し、英語で作品を紹介する活動を行いました。実物のアート作品に出会えるとよいのですが、鳥取県内には県立の大きな美術館がまだなく、世界的なコロナウイルスの状況があり出かけていくこともできません。そんな中、Google Art&Cultureは世界中のミュージアムと連携しており、芸術作品をオンライン上で検索して驚くほど細部まで拡大して見ることができます。
まずはモネの「睡蓮」やゴッホの「ひまわり」を使って、「Picture Describing」で肩慣らし。ペアの片方の生徒だけが絵を見て、その絵を見ていないもう片方の生徒に英語で説明し、似たような3枚の絵の中からどれなのか当てるというもの。
次に12点の絵を見てまわり、気になった作品をひとつ決定。その作品について、画面上のどこにどんなモノ・コトが描かれているのか見えた「事実」を正確に、詳しく英語で描写する「Description」。すみずみまで見たあとは、描かれたものは何を表しているのか、どんなシーンなのか、自分の解釈をしてクラスメイトと意見をかわします。
ゴッホの「星月夜」に描かれた黒いうねりを「これは城だ」「いや、炎だ」と言い合ったり、ヘンリー・ウォリスの「チャタートンの死」では「背景にビッグ・ベンみたいなものが見えるからこれはロンドンでは?」と分析したり。マネの「草上の昼食」では「描かれている人物は4人だが別の人物からの視点で描かれている。その5人目はどういう人なのかが気になる」と盛り上がったり。エデルフェルトの「海岸で遊ぶ男の子たち」の絵では、「子どもたちは小さいおもちゃの船で遊んでいるが、背景の海上に描かれている船は戦争をするための船に見える。無邪気に遊ぶ子どもたちをメインに描くことで戦争をしていることを皮肉った風刺画なのでは」など面白い解釈が出てきました。
最後に自分の考えを文章にまとめ、Descriptionとともに英語でプレゼンテーション。ひとつの絵から多様な捉え方やストーリーが生まれました。

全員のプレゼンがおわり、アドバンスクラスでは国立近代美術館のアートカードを使ったアクティビティを行いました。ペアで好きなアートカードを4枚選び、テーマを決めて展覧会をひらくというもの。それぞれのアートカードにはタイトルが書かれておらず、作品タイトルも自分たちで決めて発表しました。

今回の授業では無限に存在する「ものの見方」「捉え方」を言葉にして他者に伝え、対話によって思考を深め、自分だけの答えを生み出していく「アート思考」をベースとした鑑賞に取り組みました。ものづくりが好きでアーティスト気質の生徒が多い印象の高校1年生。「これってゲージュツかあ?」と言いながらも、とても楽しんで取り組んでくれたように思います。発表の仕方はまだまだですが、自分なりの解釈に自信をもって話してくれる姿はとても頼もしかったです!