【中3探究】ディベートを通じてSDGsへの理解を深める

中学校1年生の探究ではチームでアイデアを出し創造する楽しさを実感し、中学校2年生ではデザイン思考を実践して課題解決を行ないます。
中学校3年生の探究は「鳥取の社会課題解決を通してSDGsに貢献しよう」が学年テーマです。

SDGsに対する日本の取り組みの中でも特に低い評価を受けているもの、つまり課題があるとされているもののひとつが5番「ジェンダー平等を実現しよう」です。
中学校3年生は1学期、日本のジェンダー問題について深く考えるためアカデミック・ディベートに取り組みました。
探究を進める上で大切な情報収集のスキルや論理的思考力、批判的思考力を養うこともねらいとしています。
ディベートは、提示されたテーマについて肯定派・否定派に分かれ、第三者を説得する形で討議を行い、勝敗を決定します。
肯定派・否定派は試合の直前にランダムに決まるため、準備する過程では両方の立場の言い分を検討し客観的・多角的な視点をもってテーマに向き合うことになります。

今回のディベートの論題は「日本政府は、全ての男性の正規労働者が、その子どものために育児休業を取得することを義務付けるべきである」。

準備のために生徒たちは様々な資料にあたりました。
今回特に多用したのは「朝日けんさくくん」や「ヨミダスfor School」などの新聞記事検索データベースです。
朝読書の時間も活用しながら、信頼できるデータや引用文献を探すことの重要性を学びました。
また、時には道徳や公民の時間でもディスカッションを行い、日本の男性の育休取得率が非常に低いことや日本の男女賃金格差が大きいことについて自分の意見を深めてきました。(道徳での取り組みの様子はこちら

実際の試合を経験するうちにディベートの楽しさがわかり「原稿を作って論壇に立つ、その緊張感が楽しかった」と感想を述べてくれた生徒もいます。
何試合かディベートをしたあと、代表チームを投票で決定し、7月14日に代表チーム戦を行いました。
当日は鳥取市の男女共同参画センターから3名をお招きしたほか、保護者の方にも観戦していただきました。

代表チーム戦のあとは、鳥取市男女共同参画センターの蜂谷様から鳥取県の取り組みについて講演していただきました。
鳥取では2019年度の男性地方公務員の育児休業取得率が全国一位だったことを始め各種のデータ、そのために様々な取り組みをされてきたことなどご紹介いただきました。
生徒からは「鳥取県がしっかり取り組みをしていて県民として誇らしかった」「若者の意識は男女平等へ向いていっていると思うが、もっと上の人たちの意識の低さがジェンダー平等が進まない理由なのでは」といったコメントが見られました。

2022年4月からは法改正により男性の育児休暇を推進する新制度がスタートしています。
ディベートを通して自分たちが生活している社会のあり方に関心を高め、問題発見につなげてくれたらと願っています。