【高2課外活動】文部科学省『トビタテ!留学JAPAN』第8期「新・日本代表プログラム」 留学報告
文部科学省が官民共同で行っている海外留学支援プログラム「トビタテ!留学JAPAN」に採用された高校2年生のカルマールびおらさんから、ノルウェーでの活動報告が届きました。
全国から787校、1,857名の応募があった今期の「トビタテ!留学JAPAN」。
カルマールさんは第8期生として約1ヶ月間、ノルウェーのオスロ近郊において現地の法律や法教育を学んできました。
▼トビタテ!留学JAPN 公式サイト
https://www.tobitate.mext.go.jp
下記はカルマールさんからの報告です。
「私は9月末〜約1ヶ月間、「世界一人動的な刑務所」として知られるノルウェー現地で、軽度の犯罪を犯した少年の保護制度に関する調査を行った。
ノルウェー の成人受刑者の再犯率は20%と低く(日本53%、ノルウェー20%)、受刑者に対して「一般的な生活」「学校教育・職場教育」などを保障している。このようなノルウェーにおける受刑者に対する矯正教育のあり方は保護的であるのに対し、日本は刑罰的であることから、日本からも注目され、先行研究も存在する。
しかし、少年を対象とした日本との比較研究は未だ不十分であることに着目した。オスローを中心に、少年院では施設の視察及び職員へのインタビュー調査、刑務所では施設の視察と職員と受刑者へのインタビュー調査を行った。
さらに、軽度の犯罪に対する保護観察機関Konfliktradetの視察と、職員インタビューを実施し、文献調査を行なった。
その他、少年に関わる最高裁判所で裁判の聴講と、赤十字への訪問調査などを行なった。
これらの調査を通して、私自身を含め少年は、心身ともに成長過程であり今後の可能性が期待されることから、保護制度のそのものの在り方、特に少年に関わる人的環境は、少年の将来を左右するものであると推測した。
特にノルウェーの保護制度で重要視している、個人一人に対して専門機関が連携して保護するチーム支援は、日本が今後参考にできる点であると考えた。
留学で調査した内容をもとに論文としてまとめ、成果発表を行う予定である。」
現在、探究の授業においても、「個々に応じた更生プログラムを実施することで再非行率は下がるのか ー少年司法制度に関する実態調査に基づいてー」をテーマとした課題研究に取り組んでいるカルマールさん。
現地ノルウェーで実際に確かめたことをもとに、文献調査やオンラインインタビューを継続し、少年の再非行率低下につなげるべく、大人の役割や制度の充実についての考察を深めていく予定です。
※青翔開智中学校・高等学校のSSH成果発表会「青開学会」は2024年2月17日(土)開催予定です。
高校2年生は個人テーマによる課題研究の成果をポスター発表・口頭発表の形で報告します。