【授業紹介】高2言葉と表現「絵本から見える異文化をもとに、中1に授業をしよう」
今年度より新しく、高校2年生の選択授業として『言葉と表現』という学校設定科目を設置しました。
授業は国語科と英語科の教員が担当し、「言葉に関する理論や観点を理解し、それを元に言葉や言語作品について解釈し、他者に向けて表現することで、言葉や文化を知的に楽しみ、多様な人々に共感する力を養うこと」を目標としています。
2学期の授業では、異文化理解をテーマとして、「絵本」を扱いました。
子どもの頃に読まれたり、親しまれたりする「絵本」だからこそ、文化的なメッセージが如実に表れています。
翻訳の際には、そのような文化やより好まれる表現形式をもとに訳されます。
今回は、そのような違いを「楽しむ」こと、意識することを目的としました。
最初に、日本語の絵本、英語の絵本を比較しました。
ヨシタケシンスケによる『ぼくのニセモノをつくるには』の冒頭にあるプロフィールのページを、英語版と日本語版で比較すると、項目が丸ごとなかったり、表現が変わったりしている部分が。「絵本」の小さな描写の変化に、日本語の文化と英語の文化の違いがあることに気づいた様子でした。
そこから、異文化理解についての理論や、教育手法について学んだ後、今回の課題が提示されました。
課題は、最終日に「中1の英語の授業に出向き、『絵本』をテーマにした授業を実践する」という内容です。
まず生徒たちは、学校図書館や県立図書館の「英語版と日本語版の両方がある絵本」の中から、授業で扱う絵本を決めます。
次にそこに表れる文化の違いを考え、オノマトペの表現、色の表現、「どうぞ」という単語の表現など、各チームでテーマを絞っていきます。
最終日には、スライドやワークシートを準備して、中1に授業を実施。
中1の生徒からは「とてもわかりやすかった。またやりたい!」「本を訳してみて、そのあと(英語で)本を読んでみる。これが英語の授業とも違い、多読とも違う面白さが良かった。すごくいいと思いました!」「わからない部分をしっかり教えてくれてわかりやすかったし楽しかったです。」という声があがっていました。
高校2年生は初めての授業づくりに四苦八苦していたようですが、それぞれ工夫しながら、授業プランを練っていました。
「学んだことを他者に伝える」という貴重な経験になったようです。
(担当:石田・辻井・三浦・吉田)