【授業紹介】中3古典・隠れ名作に出会おう 〜短編古典文学を4コマ漫画化〜
中学校3年生の古典では、教科書であまり取り上げられない短編古典文学へ触れることを目的とした「隠れ名作に出会おう」という単元を実施しました。
この授業は「探究スキルラーニング」として、「思考を視覚的に表現する」「思考を的確な文章で表現する」という2つのスキルを伸ばすことをねらいとしたものです。
初めに、教科書で扱われる機会の少ない古典にも触れていくことの意義を伝えました。 文法の理解や単語など覚えることが多い中で「“今”と地続きである古典」と自分自身とを結びつけて思考することを忘れないでほしいためです。
また、やみくもに短編の古典文学を探してきてもらうのではなく、読む価値(文学的な“厚み”)のあるものを教科書の巻末やラーニングセンターからピックアップして提示し、生徒たちにとって琴線に触れるものを選んでもらいました。
「この話はお嫁さんが化けて出てくるから怖いのかと思ったけど、切なそう!これで私、やりたい!」「武将がたくさん出てきてこの作品気に入ったなあ。歴史が好きだから、僕はこれを扱おうかな」など、生徒たち各々が持つ経験からくる好みが短編古典文学のチョイスにも表れているようでした。
現代語訳を参照しながら読みきり、最後はその作品を4コマ漫画化する活動へ入ります。
起承転結や読み手を意識しながらの仕上げは難しいようでしたが、自分が向き合った作品の魅力が他者へ最大限伝わるよう文章や図示によって工夫を凝らしていました。
4コマ漫画の完成後はクラスメイトとの共有に加え、個人で自分自身の活動を振り返りました。
振り返りでは、印象的だった部分や自分とのつながり、読み取った主題を記述してもらいました。「自分とのつながり」を考えるのが最も難しい様子で、七転八倒しながらも自分の言いたいことにぴったりな表現を模索する姿が見られました。
「他人の経験を自分の経験に落とし込んで言葉にする」という努力を培えた時間となりました。(担当:金田・菊川)