【授業紹介】高2言葉と表現『翻訳できない わたしの言葉』展を擬似体験(東京都現代美術館・八巻様 講演)
青翔開智では2023年度より、学校設定科目として「言葉と表現」という授業を行っています。 この授業は、「言葉に関する理論や観点を理解し、それを基に言葉や言語作品について解釈し、他者に向けて表現することで、言葉や文化を知的に楽しみ、多様な人々に共感する力を養うこと」を目標としています。
2学期は、「言葉による表現を見つめ直す」ことをテーマに、言葉にならない思いをどうやって表現するか、あるいは言葉にまつわる社会・政治のような環境に目を向ける活動を行っています。
まず学期の初めに東京都現代美術館で7/7まで行われていた『翻訳できない わたしの言葉』展を通して、「言葉」について考えていきました。
今回は、東京都現代美術館の担当学芸員・八巻さんにもご協力いただきながら、展示されていた作品の一部を鑑賞したり、展示の写真を見たりしました。
そして、ユニ・ホン・シャープさん、Mayunkikiさん、南雲麻衣さん、新井英夫さん、金仁淑さん、5人のアーティストによる展示をアーティスト毎に分担して詳しく見ていきました。
それぞれのアーティストが、言語の発音の矯正、母語を学習できない苦しみ、アイヌの言葉・日本手話などの日本国内にある言語、体の声、属性にとらわれずに相手と向き合うことなど様々な「言葉」に関する展示を行っていました。 担当アーティストのことについてまとめた後は他のチームメンバーに情報共有し、「わたしの言葉を大切にするとは」どういうことか、個人で考えをまとめました。
9/9(月)の授業では、学芸員・八巻さんとオンラインで通話を繋ぎ、実際にどのような背景で今回の展覧会を行ったか、具体的にどんな雰囲気の展示だったか、講演していただく機会を設けました。
写真だけではわからなかった展示の詳細について詳しく触れる機会となっただけでなく、八巻さんがオランダで移住する側となって生活した際の体験が展覧会のきっかけになっていることも伺い、外国語との向き合い方を考える機会になったようです。
ここから高校2年生は、多和田葉子・著『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』を読んで、外国語と母語との関係を考察していきます。 言葉にできない思いのことも考えつつ、他者にどのように自分の考えを伝えていくか、この単元を通して、学んでいきます。
(授業担当:三浦・石田<英語科>)