【授業紹介】高2言葉と表現・言語ゲームをつくって中1にプレイしてもらおう!
高校2年生の「言葉と表現」では、2学期を通じて、言葉で表現することの意義や言葉にまつわる社会背景、国家と言語の関係、そして英語と日本語の言語間の差異などを学んできました。
9月には東京都現代美術館の『翻訳できないわたしの言葉展』を開催した学芸員である八巻さんの講演会も行いました。
その最終ゴールは、中学校1年生に向けて、言語について今まで学んだことを詰め込んだボードゲーム=「言語ゲーム」をプレイしてもらう交流会。
今回は、本校の探究スキルラーニングの取り組みの一環として、単元を実施しました。特に、資料を活用してゲームの背景となる情報を活用することで「複数の情報につながりや規則性を見いだす力」、そして参加者たちの感情や感覚に訴えるようなゲームとなっているかという「感覚や感情に訴える表現をする力」、2つのスキルにフォーカスして授業を展開していきました。
まずは実際にある教育系ボードゲームをプレイし、チームでどのようなテーマでゲームを作成するか検討していきました。授業で学んだテーマから発展させて、「バイリンガル子育てをベースにした人生ゲーム」や、「やさしい日本語をどのように使うか」、「ことわざから見える文化の違い」などをトピックにしたゲームを作っていきました。
そこで活用したのが学校図書館の本。ボードゲームの背景となる知識を資料から集めていきました。途中で作る過程では、同級生同士でフィードバックをするなどしてブラッシュアップ。
最後には中学校1年生に実際にプレイしてもらい、「楽しかったです」「またやりたいです」「自分の言語学習について考えさせられた」などの感想がありました。
高校2年生も、後輩からの反応に刺激を受けたようで、「中1向けにもっとわかりやすい説明にするなど、工夫すればよかった」などの振り返りもありました。
高校2年生には学期を通して、「生成AI・翻訳サービスが発達する中で、自ら考えて言葉で表現することに、どのような意味があるのか?」という問いを投げかけていましたが、「結果(翻訳された言葉)よりも過程(翻訳しようと頑張ること)が大事だと思う」「たとえ間違っていたとしても言語と向き合うことで、言語が持つ力や正しく言語を使用することの大切さをより強く実感することができる」「生成AIは綺麗な日本語はかけても自分の伝えたいことは伝わらないと思うから自分で考えて表現することはとても大切だ思う」などの考えが出てきました。
このように、言葉と表現の授業では、言語との向き合い方や未来に向けてどのようにしていくべきかについても考えていきます。
(担当/石田・三浦<英語科>)