今年度、本校は鳥取県NIE推進協議会によるNIE実践指定校となっており、さまざまな教科や学校生活の中で新聞の活用に取り組んでいます。（NIE…Newspaper in Education・教育に新聞を）

中学校3年生は1月の現代文の授業で、報道文の比較・分析によってメディアリテラシーを身につける探究スキルラーニングに取り組みました。

報道文とは実際にあった出来事や事実を伝えるものですが、その伝えられる事実は取捨選択したり表現を選択したりしながら書かれているため、書き手のものの見方や価値観が間接的に反映されたものと言えます。高度な情報化社会に生きる生徒にとって、発信者の思いや意図、背景にあるものを見極めながらニュースを読み解く力は重要だと考え、今回の探究スキルラーニングを実施しました。

2024年の重大ニュースの中から「トランプ氏勝利」「能登地震発生」「パリ五輪閉幕」「衆議院選挙結果」「被団協ノーベル平和賞受賞」5つのトピックを選び、トピックに関する二社の新聞記事を比較しました。
FigJam*を活用して共通点と相違点を明確にし、なぜそのような共通点や相違点があるのか、グループで考察を行いました。（FigJam…付箋等を使ってリアルタイムコミュニケーションができるオンラインホワイトボードツール）
また、日本版のメディアリテラシーチェックリストである「さぎしかな」チェックを行い、「どんな価値観が表れているか？または排除されているか？」、「なぜその情報は発信されたのか」など、情報に対して批判的に向き合う姿勢も重視しました。

そして最終回である今日の授業では、各グループの活動のまとめとして成果発表会を行い、読売新聞社と毎日新聞社からお越しいただいたゲストティーチャーの方から、発表に対するコメントやフィードバックをもらいました。授業の最後には、新聞社にはそれぞれの考え方や個性がありどの情報を載せるのかに個性が出ること、記者は必ず取材の裏付けをとるようにしていること、インターネットの情報はまず疑ってかかること、名刺一枚で色々な人と出会い話が聞けるのが新聞記者という仕事の魅力だということなど、たくさんの有意義な話を聞くことができました。

今後も生徒には、普段から情報の信頼性や発信のされ方に特に注意を払って、主体的な情報の受信者・発信者になってもらいたいと感じました。
（担当：西谷<国語科>）

▼メディアリテラシーや「さぎしかなチェック」については下記のwebページや複数の書籍を参照
（一般社団法人インターネットメディア協会ホームページ・坂本旬氏による特別寄稿）
https://jima.media/dif-of-media-literacy/

「取材の裏話に興味津々　青翔開智高で出前授業」（記事後半にて本授業の紹介）
日本海新聞　2025年2月1日掲載
※画像は新日本海新聞社の許諾のもと転載しています