【メディア掲載・授業紹介】高1共成と飛躍・英語コミュニケーションⅠ「鳥取県インクルーシブ・アート共同鑑賞ワークショップ」〜視覚に障がいのある方とともに行う、対話によるアート鑑賞〜

高校1年生は3月にアート思考を学ぶ研修旅行を実施します。
研修旅行では絵画や俳句などのアートを通じて、自己理解を深め、高校2年生の「探究Ⅴ」の授業で行う「個人テーマによる課題研究」へとつなげていきます。
研修旅行の事前学習を兼ね、「英語コミュニケーションⅠ」および青翔開智の学校設定科目である「共成と飛躍」の授業において、科目横断で対話によるアート鑑賞を行いました。

2月13日(木)「共成と飛躍」の授業では、視覚に障がいのある方々と共に、対話による絵画鑑賞を行いました。
実施にあたっては、鳥取大学 地域価値創造研究教育機構の石田陽介先生をお呼びし、授業デザインとファシリテーションにご協力いただきました。また、鳥取県あいサポート・アートセンターのご協力のもと、「アートスペースからふる」の所蔵作品7点をお借りすることができました。

「共成と飛躍」は、青翔開智の建学の精神である「探究・共成・飛躍」のうち、特に「共成」と「飛躍」にフォーカスし、対話や自己分析を通じて、それらの資質を伸ばすことを目的とした授業です。3学期は「他者の靴を履く」をキーワードに、エンパシーと自己変容を実践することを目指しています。
今回の授業「インクルーシブ・アート共同鑑賞ワークショップ」は、「対話による自己変容とイメージの共創体験」を目標として実施しました。絵画の共同鑑賞においては、晴眼者も視覚に障害のある方も、絵画を通して説明や質問、感想を互いに投げかけながら、絵画に対するイメージを共に創り上げていきます。そうしたことを通して、自分一人では気がつかなかったような視点を獲得させつつ、「共創」という体験を得させることを狙いとしました。

事前準備として、2/7(金)の「共成と飛躍」の授業では、「自己変容と共創」をキーワードにして、インクルーシブ・アート共同鑑賞の目標の共有をしました。また、視覚に障がいのある方のサポートの仕方等も合わせて学びました。
また同日の「英語コミュニケーション」の授業では、オノ・ヨーコ “Ceiling Painting”を校内に再現したレプリカを学年全員で鑑賞し、見た人と見ていない人が共にイメージを創る鑑賞のウォーミングアップと、東京都写真美術館の鑑賞教材「色と形と言葉のゲーム」を使って、イメージとことばを結びつける練習を行いました。

2/13(木)の「共成と飛躍」の授業は2時間続きで実施しました。
1時間目では、石田陽介先生から本時の内容共有とデモンストレーションをしていただきました。その後、視覚に障がいのある方を含む9人ほどのグループに分かれ、1点につきおよそ10分で、3点の絵画を題材にして共同鑑賞を実施しました。
1時間目と2時間目の間には、生徒たちがゲストのみなさんを次の会場へアテンドしながら、普段の生活や1時間目の鑑賞について話が尽きない様子が印象的でした。

2時間目では、各グループに分かれ、鑑賞の振り返りを行いました。
生徒の振り返りには、
「目が見える人でも見えない人でも、全員が同じ絵に対して違う見え方をしていて面白かった」
「障害のない自分にも見えていないものがあったと気づいた時に、対話の役割とは何かが少しわかった気がした」などの意見がありました。
また視覚に障がいのある方からも、「一緒にひとつの作品を見ながら、イメージを共有できたことが素晴らしかった」「絵の中でも季節感を見たり、時間帯について考えてみたりして絵を鑑賞できたことが楽しかった」などのコメントをいただきました。

鳥取大学の石田陽介先生、鳥取県福祉保健部の方々、鳥取県あいサポート運動の方々をはじめ、多くの方々のご支援により、本授業を実施することができました。関わって頂いた方々に、深く御礼申し上げます。

このあと、「英語コミュニケーション」の授業においてもクラスメイト同士での鑑賞をすすめ、自分が選んだ作品について英語でプレゼンテーションを行いました。今回のふたつの授業を3月の研修旅行や今後の探究にもつなげてくれたらと願っています。
(担当:吉田<国語科><共成と飛躍>・濱中<英語科>)

▼「鳥取県インクルーシブ・アート共同鑑賞ワークショップ授業を開催します」(鳥取県ホームページ)
http://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/webview/A5ED024883ADD7AC49258C2800209A67?OpenDocument

今回の授業が日本海新聞に掲載されています。
▼Web版記事はこちら
「想像しやすく説明工夫 青翔開智高 視覚障害者交え芸術鑑賞」2025年2月14日掲載(日本海新聞 Net Nihonkai)
https://www.nnn.co.jp/articles/-/473408

▼昨年度実施の授業はこちら
【高1英語・共成と飛躍】対話型鑑賞 in English 〜3月アート思考研修に向けて〜
https://seishokaichi.jp/news/subjects/english/post-15915/


「想像しやすく説明工夫 青翔開智高 視覚障害者交え芸術鑑賞」
日本海新聞 2025年2月14日掲載
※画像は新日本海新聞社の許諾のもと転載しています